肩関節周囲炎(五十肩)

症状の現れ方

     肩あるいは肩から上腕への疼痛と関節の動きが悪くなることです。症状と時期によって急性期(疼痛が最も強く現れる)、慢性期(疼痛は軽快しているが運動制限(拘縮)が残っている)、回復期(関節拘縮が改善する)の3段階に分類されます。
     急性期では、炎症を起こした腱板や肩峰下滑液包の痛みが主ですが、周辺組織に炎症が広がる場合もあり、肩周辺のかなり広い範囲に疼痛を感じます。安静にしていても痛みは強く(安静時痛)、夜間に激しいのが特徴です。その痛みは肩だけでなく、時に肩から上腕にも放散します。
     夜間に痛みが強くなるのは、肩が冷えることや、寝ている時に上腕骨の肩峰下滑動機構(けんぽうかかつどうきこう)に長時間圧力が加わることが原因と考えられています。このような場合、起き上がって座位で腕を下げておくと、痛みが軽減することもあります。
     また、日常生活で衣服の着脱、帯を結ぶ動作、入浴時(体や髪を洗う動作)、トイレや、腕(上肢(じょうし))を上に挙げようとする動きによって痛みが出たり、強くなったりします(運動時痛)。そのため、肩関節の動きはかなり制限されます。
     急性期が過ぎて慢性期になると、安静時痛は消失します。しかし、腕(上肢)を挙げていく途中で痛みを感じ、肩関節の動きが制限されています。とくに肩関節の内旋・外旋制限が残ることが多いです。
     回復期になると運動制限も徐々に改善して、運動時痛も消失します。
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