「超音波」と聞き、まず体内の様子を画像として見る「診断機器」を思い浮かべるかと思います。
ところが、超音波は診断だけでなく、治療にも使われるのです。
空気がブルブルと振動すると「音」となるのですが、その振動のサイクル(周波数)が早すぎて人間の耳には聴こえない音を「超音波」と呼びます。
超音波は光のように直進し、ぶつかる材質により、通り抜けたり跳ね返ったりします。
その性質を活かして、治療に活用しているのが「超音波治療器」です。
人間の耳に聞こえる音は、20Hz~20,000Hz (20kHz)。
20kHz以上の周波数の音波により機械的振動を起こして治療に用いるのが超音波療法です。
実際には0.7〜3MHzの超音波が利用されています。
さて、「超音波治療器」はどうやって超音波を生み出しているのでしょうか?
それは、プローブの中に圧電素子と呼ばれる結晶体があり、結晶体に電圧を加えると形が伸びたり縮んだりして変化する「圧電効果」で音波を発生させています。
たとえば、1MHzだと、1秒間に100万回の伸び縮みが起こっていることになります。
「超音波治療器」は、この振動を連続的に身体に当てて熱を発生させ、その温熱効果で治療を行ったり、振動を断続的に起こすことで熱の発生を最小限に抑え、
振動の力を利用して治療を行います。